2001.11.18掲載 高瀬さん

 

 名もない時から

 はじめまして!トップソプラノで機関紙部に所属している高瀬と申します。わたしがこの合唱団と出会ったのは、 この集まりが出来たての頃で、まだ名前も決まっていませんでした。職場の同僚に「合唱団を創るんだよ。今を生きるわたしたちの想いを ストレートに歌に表現できるような集まりなんだ。」と誘われていました。歌う事もみんなで何かを作るのも好きなわたしが、 入団するつもりで初めて練習に参加した日、練習が終わった後喫茶店で、みんなでワイワイ何か話していました。 みんなに投票してもらった10枚ほどの小さな紙切れを並べて、団の名前を決めていたのでした。無事に「合唱団くさぶえ」が決まり、 わたしは団の歴史的な日に参加できて、すごく得した気分で帰ったのを覚えています。

 団が活動を始めてから5年くらいまでは、とにかくみんなで集まって歌を歌っているのが楽しくて、おもしろくて・・・団のモットーである 「だれでも歌える、だれもが歌える」を実現する為に、団員部という団員のお世話係をつくって、隣で歌う人がどんな仕事をしているのか みんなでもっと知り合おうとか、何か悩みはないか話そうとか思いつくいろいろな事をやりました。音楽の先生に 「あなたは音痴だから歌わなくていい」と言われて、小学生の時から歌ったことがないという人が入団した時には、 貧しい音楽教育にみんなで怒りながら、なんとかいっしょに歌うことが楽しめるようになれないか何度も話し合いました。 指揮者の内田先生に特別に発声練習をしていただいたり、練習日以外にパート練習をしたりして、その人もいっしょに演奏会の ステージに立てた時には、みんな涙うるうる感激でした。このひとりの悩みをみんなで話し合い解決していっしょに 歌っていこうという姿勢は、20年過ぎた今でも貫かれていて、何かあるたびに話し合って乗り越えて「これがくさぶえだなあ」と いつも思います。

 わたしたちは仲良しクラブではありません。合唱団として音楽的なところで成長していくためには、楽しいことばかりでなく、 時には厳しいことも言い合います。より良い音づくりの為に個人の努力が求められ、団としての協力も惜しみません。 市民合唱団の宿命で、人の入れ替わりがある中で団として成長しながら、だれでも歌える団であり続けること。「くさぶえ」は、 この一見矛盾している命題をこれからも追及し続けていくことでしょう。

 わたしが何故歌い続けているのか、何故一度もやめようと思ったことがないのか・・そんな事を考えたことがない位、 わたしはここでわたしでいられます。共に歌う仲間がいて、そこに自分の居場所が在るという事が、毎週水曜日にわたしを 練習場に向かわせる原動力なのです

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