2011.10.11 掲載 アルトみみずくさん

とぜんなか人、くさぶえに来てみんしゃい!

「とぜんなか」とは漢字で書くと「徒然なか」となります。佐賀弁で手持ち無沙汰、nothing to doの意味だそうです。『徒然草』の時代をしのばせる雅な表現がとても気に入って、ちょっと使わせてもらいました。

さて、私は定年退職後“くさぶえ”に籍を置いて4年目になります。現役時代の私は、仕事と家事以外は全く脇目を振る余裕がなく、合唱団に籍を置くことなど考えもしない生活をしていました。それが定年退職という節目を迎えて、『とぜんなか人』の気分になり、それを払拭する何かを探していて出会ったのが『歌うこと』でした。途中経過は省きます。知り合いに紹介されて見学に行って、その場で入団表明をしてしまう軽率さを反省しつつ、しかし、新しい世界で新しい自分を発見できることをとても嬉しく思っています。

団員による作詞・作曲の“いつか風のように”を歌って入団を祝っていただいた日のことは忘れられません。自分の結婚式以来の緊張と感激でした。そして1年後には“くさぶえの30周年記念コンサート”でデビューしました。30年という長い年月を思って感動した日でした。創立当初の若者たちは当然のことながら年を経て今にいたっている、その頃の自分はどうしていたろうか、何を思っていたろうかと悲しみにも似た思いが胸をよぎったりして、もっと早くに“くさぶえ”と出会いたかったと思ったものでした。一方で、私が入団出来る条件が整うまで待っててくれた(すごいジコチュー!)ようにも思えて、ありがとう!とこっそり思ったりもしています。

ところで、くさぶえには『とぜんなか人』はいません。表題に偽りあり!ごめんなさい。とにかくみんな忙しく、日本全国のみならず外国にまで出張する人もいて、練習日に全員が揃うのはまれです。練習時間終了間際に駆けつける人もいます。入団したての頃は、そうまでして駆けつけて来る人が理解できませんでした。でも、この頃その気持ちがわかるようになりました。音楽で自分を表現するのが楽しいと思えるようになってきたからです。思うように声の出ない時の方が多いけれど、歌えた時の気分は最高です。出来なかったことが出来るようになる喜び、知らなかったことが手に入る嬉しさ、そんな当たり前のことを、還暦を過ぎてからあらためて実感しています。

「とぜんなか」気分に陥っている方がいらしたら、ぜひくさぶえに足を運んでみて下さい。もちろんそうでない方も!ご一緒に次の何十周年かを祝いませんか!

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